ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究成果オープン化の事例(記事紹介)

2017年09月01日

ヨーロッパ

英デジタルキュレーションセンターは8月15日付けで、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)における研究成果オープン化の事例を紹介する記事 "Incentivising open practices"(試訳:オープン化実践の動機付け)を掲載している。本記事は、8月3~4日に開催された"Repository Fringe 2017"でのUCL Pro-Vice-Provost Paul Ayris博士による基調講演を元に、オープン化の成功事例を紹介する。

一般的に方針の変更やオープン化の義務化には問題が提起されるものだが、UCLでは方針の変更への反対はなく、学部との1年間の話し合いの中で "All research outputs are available through Open Access wherever possible"(試訳:すべての研究成果は可能な限りオープンアクセス(OA)で利用できるようにする)規定が採用された。

欧州レベルの政策構造を反映し、UCLは大学のオープンサイエンスプラットフォームを確立し、機関が先導して全学問領域の調整を図った。また完全にオープンアクセスのUCL Pressを導入した結果、論文の出版と流通を変換した。一般的な出版ルートでの販売数は400部 のところを、10万ものアクセスがあったという。また著者はUCL Pressを選択した理由として、発展途上国の研究者に対するオープン性を考慮したと説明している。

研究成果の管理や共有を要求する方針があるならば、その方針に基づいて行動する人を認識し、彼らに報いることを考慮すべきである。

発表資料はこちら

[ニュースソース]

Incentivising open practices - DCC  2017/8/15

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