エルゼビア社、米国化学会(ACS)等出版社5社はこのたび、研究者向けソーシャルネットワークサービスResearchGateに対し、著作権の侵害を理由に論文の削除を求める連合を結成した。連合によると、影響を受ける論文は700万件に上り、そのうちの10万件に対する削除通知が緊急に送付される。
連合の結成と同時に、エルゼビア社と米国化学会(ACS)は10月6日、ResearcgGate上で公開されている著作権を有する文献の保護を求め、同社の所在地のドイツ地方裁判所で訴訟を起こした。
他方シュプリンガー・ネイチャー社は10月9日、ResearchGateと共同声明を発表した。同声明では、科学ジャーナルの共有と同時に知的財産権を保護するための解決策を見いだすため、両社は慎重な協議を重ねており、問題の解決に対して慎重ながらも楽観的見方を示しているとしている。また他の出版社や学会にも議論に参加するよう呼びかけている。
この問題を巡っては、国際STM出版社協会とHagueが9月15日に、STMと共同して論文の共有ポリシーについて利用者とのコミュニケーションの改善を図ることなどを盛り込んだ文書をResearchGateに送付している。
[ニュースソース]
Publishers threaten to remove millions of papers from ResearchGate - ネイチャー 2017/10/10
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