制限のない学術引用データの利用を促進するI4OC

2017年11月10日

北米・中南米 ヨーロッパ

制限のない学術引用データの利用を目指す Initiative for Open Citations (I4OC)のFORCE 2017(10月25~27日ドイツ ベルリン)での発表スライド(pdf:29ページ)が公開されている。発表者はDario Taraborelli氏(Wikimedia) とMark Patterson氏 (eLife)。

<抄録>

無料アクセス可能な引用データのリポジトリを構築し、学術研究が互いにどう引用し合っているかを示すというアイデアは、制限付きライセンスや、包括的な機械可読データソースがないことで実践されていなかった。参考文献は数十年もの間、PDFあるいは独自のデータベースの中に閉じ込められてきた。2017年4月に発足したオープン・イニシアチブ(I4OC)の取り組みにより、索引付学術的参考文献のほぼ半分が著作権の制約なしに無料で利用できるようになった。I4OC発足前にはオープン・リファレンス・データを持つ索引付学術論文の割合は1%であったが、2017年7月時点で1,600万件超の学術論文が機械可読のパブリック・ドメイン・データとして公開されている。現在、制限なく利用可能な学術引用データを支持する動き、そしてこれを支持する組織、学協会、助成機関、出版社が増えている。しかし、これは質の高い引用メタデータで学術的コモンズを推進させるための始まりに過ぎない。このプレゼンテーションでは、I4OC設立の背景、今後、そして現在のビジョンと課題について発表する。本イニシアチブにより解放されたデータの再利用により、科学的発見がどう加速され、オープンな学術基盤を強化するのか、適用実例を紹介する。

[ニュースソース]

Unlocking references from the literature:the Initiative for Open Citations - FORCE 11 2017/11/1

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