英ウエルカム財団、研究助成ID開発イニシアチブに着手

2018年02月26日

北米・中南米 ヨーロッパ

英ウェルカム財団が、Crossrefと米国立衛生研究所(NIH)および英国医学研究会議(MRC)などの研究助成機関と連携し、開発を目指す研究助成識別子イニシアチブに関する記事がCrossrefのブログで紹介されている。

助成機関は助成した研究成果の追跡を期待するが、研究助成IDは助成機関ごとに存在し、例えばID207467のように同一のIDが複数の研究成果に付与されていることも少なくない。この問題を解決するため、DOIORCID ID、また生体物質ID RRIDのように、研究助成ごとに単一のグローバルIDを付与するシステムが必要である。

このイニシアチブでは、ID(DOI)の登録にCrossrefと契約し、また研究助成に関する情報を開示するパブリックアクセス可能なWebサイトとして、Europe PMC Grants Finder Repositoryを使用する計画である。

作業部会を設置し、どのメタデータの項目を利用できるようにすべきか詳細を決定する。また各助成機関が独自に設けた既存の研究助成IDを使用したDOIを登録する。IDにはFunder Registry IDのように助成機関識別子のプレフィックスを付ける。

ガバナンスグループによる、助成機関がCrossrefのメンバーとなる方法やグラントDOI登録のビジネスモデルの検討と並行し、概念実証イニシアチブを進め、2018年秋に特定群の研究助成に対するDOI登録を開始する。

[ニュースソース]

Wellcome explains the benefits of developing an open and global grant identifier - Crossref 2018/2/16

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