データ共有における課題(調査報告書)

2018年04月02日

ヨーロッパ

シュプリンガー・ネイチャー社は3月21日、データ共有の課題を取り上げた調査報告書"Practical Challenges for Researchers in Data Sharing"(試訳:研究者のデータ共有の実践における課題、PDF:17ページ)を公開した。

本報告書は、さまざまな分野、キャリアの段階にある研究者7,700人を対象に、研究論文の出版時におけるデータ共有に対する意識と態度に関する調査結果を報告するものである。

主な結果:

  • データの発見性が高いことは重要である(76%)
  • ジャーナル投稿時に、補足情報としてデータファイルを投稿する、あるいはリポジトリに登録する(63%)

データ共有の課題:

  • 体裁が整った有用なデータとして体系化する(46%)
  • 著作権と使用許諾に確信がない(37%)
  • 使用すべきリポジトリがわからない(33%)
  • データを登録する時間がない(26%)
  • データ共有のための費用(19%)

分野別のデータ共有の実施の程度は、生物学(75%)、地球科学(68%)、医学(61%)、物理科学(59%)であった。医学は他の分野と異なり、課題として「著作権と使用許諾に確信がない」を最も多く挙げ、また「データの体系化」については大きな課題ではないとした唯一の分野であった。

国別のデータ共有の実施の程度は、ポーランド(76%)、ドイツ(75%)が最も高く、米国とオーストラリアが55%、カナダが50%であった。

 [ニュースソース]

Researchers' challenges in sharing data cross geographic borders and disciplines - シュプリンガー・ネイチャー 2018/3/21

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