APS、査読済み論文の即時かつ無償公開を義務化する行政政策案に反対するAAPの書簡に署名したことへの後悔を表明

2020年01月30日

北米・中南米

APS(Association for Psychological Science、米国心理科学会議)は、1月24日、AAP(Association of American Publishers、米国出版社協会)が12月18日に米国大統領宛てに送付した査読済み論文の即時かつ無償公開を義務化する行政政策案へ強い反対を表明した書簡に署名したことについて、後悔を表明した。

APSは同政策案について、十分な計画がなくステークホルダーからの意見聴取をせずに進めれば科学に悪影響を及ぼすであろうとする立場は変わらないとしながらも、同会議がAAPの書簡に署名したことでOA(オープンアクセス)に反対しているかのような誤解を与えたと説明。

APSは、米国OSTP(Office of Science and Technology Policy、大統領府科学技術政策局)へ手紙を送り後悔の表明および謝罪をするとともに、自らの立場を明確にするために、「科学研究が商業出版社の知的財産であること」「OAは科学の脅威であること」などとするAAPの提言を拒否する姿勢を示した。

[ニュースソース]

To APS Members From the Board of Directors ― APS 2020/01/24 (accessed 2020-01-29)

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