Elsevier社、MITとのジャーナル契約交渉の打ち切りに関する経緯を発表

2020年06月17日

北米・中南米

​Elsevier社は、6月11日、MIT (Massachusetts Institute of Technology、マサチューセッツ工科大学)とのジャーナル契約交渉の打ち切りに関する経緯を発表した。

Elsevier社は、同大学の "MIT Framework for Publisher Contracts"(以下、同枠組み)が未完成であった1年前からTA(Transformative Agreement、転換契約または移行契約)交渉を始めたと説明。MITリポジトリへの論文の自動格納やAPC(論文掲載料)の費用負担などを含めたパイロットを設計し、グリーンOA(オープンアクセス)とゴールドOAを組み合わせ、ジャーナルへのアクセスも提供しながら4年をかけて完全OAを実現する契約を模索していたという。

しかし、同枠組みの完成後、MITはグリーンOA論文のゼロエンバーゴなどを含め同枠組みに示されたすべての要素を満たすよう求めてきたと主張。6月まで交渉期間を延長しElsevier社からさまざまな提案を行ったものの受け入れられなかったと説明している。

Elsevier社は、MITが契約交渉を打ち切ったことについて、残念であるとしながらも、今後も新たな道を模索していきたいと述べた。

[ニュースソース]

Learn more about Elsevier's negoti​ations with MIT ― Elsevier 2020/06/11 (accessed 2020-06-16)

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