“Plan S Rights Retention Strategy”の概説と関係者の見解(記事紹介)

2020年07月21日

ヨーロッパ

​Natureは、7月16日、"Open-access Plan S to allow publishing in any journal"と題する記事を公開した。

本記事は、cOAlition Sが7月15日に発表した戦略"Plan S Rights Retention Strategy"により、cOAlition Sの参加機関から助成を得た研究者が受ける好影響や可能性、さまざまな立場からの意見や反応を紹介したもの。

本戦略に盛り込まれた、AAM(Author Accepted Manuscript、著者最終稿)をCC BYライセンスの下でエンバーゴなしに公開することを認めている出版社はごく少数であるというオランダの研究者の発言や、本戦略により著者の権利が保持され、あらゆるジャーナルで出版できる道が開けるとする財団関係者の発言を示している。

また、cOAlition Sの参加機関は出版社と研究者間の契約のあり方に変化を求めていること、研究者が同意した助成機関の条件はその後結ばれる出版社との契約よりも法的に優先されること、実際にScience誌を発行するAAAS(American Association for the Advancement of Science、米国科学振興協会)がPlan Sの要件に合わせて出版ライセンスやポリシーの修正を検討していることなど関係者のコメントを引用しながら紹介している。

その他にも、著者が本当にAAMを即時公開するのか、準拠状況をどのように監視するのかなど、疑問を投げかけるライブラリアンのコメントなども紹介している。

[ニュースソース]

Open-access Plan S to allow pu​blishing in any journal ― Nature 2020/07/16 (accessed 2020-07-20)

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2020年07月20日 cOAlition S、"Plan S Righ​ts Retention Strategy"を策定