OA出版モデルの普及が発展途上国の研究者に与える負の影響(記事紹介)

2021年05月14日

アジア・オセアニア 北米・中南米 中東・アフリカ

​グローバル開発のための科学技術に関するニュースなどを配信するSciDev.Netは、5月10日、"Open access 'excludes' developing world scientists"と題する記事を公開した。

本記事は、2021年以降、助成を受けた研究成果のOA(オープンアクセス)ジャーナルでの出版やオープンリポジトリでの公開を求めるPlan Sや同イニシアチブに同調するSpringer Nature社などの動きがある中、助成金や出版費用(をカバーしてくれる機関)が十分でない発展途上国の研究者の論文が一流ジャーナルから締め出されていると指摘。

一流ジャーナルのAPC(論文掲載料)がカメルーンの助手の月収の数倍にもなるといった事例、出版社・ジャーナルが発展途上国の研究者に対しAPCを免除しているが、研究者へのサポートの欠如や免除システムの理解不足により十分に活用されていないこと、その結果、発展途上国の研究者は支払いを回避するためにOAジャーナルに投稿しないなど、OA出版モデルの普及が発展途上国の研究者に与える負の影響を示している。

[ニュースソース]

Open access 'excludes' de​veloping world scientists - SciDev.Net 2021/05/10 (accessed 2021-05-13)

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