cOAlition Sは、6月9日、"How to enable smaller independent publishers to participate in OA agreements"を公開した。
これは、cOAlition SおよびALPSP(Association of Learned & Professional Society Publishers、学協会出版者協会)がSPA-OPS(Society Publishers Accelerating Open access and Plan S)プロジェクトのフォローアップのために、IP(Information Power)社に委託し作成した、小規模・独立系出版社※のOA(オープンアクセス)契約導入方法に関するレポート。
本レポートでは、2020年のハイブリッドジャーナルにおけるOA論文数の増加は2016~2019年と相反する動きであり、小規模・独立系出版社が容易にTA(Transformative Agreement、転換契約または移行契約)・完全OA契約を締結・導入するためのシステムが確立されれば、OA論文数はさらに増加する可能性があることに言及。
小規模・独立系出版社の取引管理において単一のOA契約は数多くの論文を取引するよりも管理が容易であること、図書館・コンソーシアムにおいても出版社との契約のために巨額の投資を行っていること、その一方で資源や規模が十分でない小規模・独立系出版社にとってTA・完全OA契約の導入がいかに困難であるかという認識が図書館・コンソーシアムに不足しており、図書館・コンソーシアムの小規模・独立系出版社に対するさらなる認識向上やケアが必要であることなどを報告した。
また、英国やアイルランドなどの特定の国おいて小規模・独立系出版社がOA契約を締結しているが、これらの成功例はどこにでも当てはまるものではないとし、英国およびアイルランドのステークホルダー向け、cOAlition S参加機関に関わるステークホルダー向け、助成機関がcOAlition Sに参加していない国のステークホルダー向けの推奨事項を示している。
※本レポートでは、小規模・独立系出版社を大規模な出版パートナーがいない学協会系出版社、大学出版局、図書館出版局、小規模・独立系営利出版社と定義している。
[ニュースソース]
Open Access agreements with smaller publishers require active cross-stakeholder alignment, report says — Plan S 2021/06/09 (accessed 2021-06-10)
How to enable smaller independent publishers to participate in OA agreements — figshare 2021/06/09 (accessed 2021-06-10)
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2020年12月04日 cOAlition S、SPA-OPSのフォローアップのための新プロジェクト開始を発表