ACP、カナダの著作権団体と教育機関との訴訟に対する最高裁の判決を残念に思うと表明

2021年08月25日

北米・中南米

ACP(Association of Canadian Publishers、カナダ出版社協会)は、8月3日、Access CopyrightとカナダのYork Universityの訴訟における、Supreme Court of Canada(カナダ最高裁判所)の判決を残念に思うと表明した。

著作権委員会によって認証された支払いに法的強制力はないというFCA (Federal Court of Appeal、連邦控訴裁判所) の以前の裁定をそのまま追認していると指摘。とりわけ、同最高裁がYork Universityのフェアディーリング※のガイドラインに関する裁定を提示しなかったことに失望していると述べた。

ACPのプレジデントは、「本判決により、カナダの出版社は、教材への投資を守る法的手段もなく、困難な市場を切り抜けることを余儀なくされた」と述べている。

ACPは、同国政府は市場の被害を是正し、同国の出版物への将来の投資を支援するための法制度を早急に整備する必要があるとしている。

※カナダの著作権法の、公益のためであれば許可を必要とせずに著作物を複製することを認めるという規定。

[ニュースソース]

Canadian publishers call for urgent reform ​​of the Copyright Act ― ACP 2021/08/03 (accessed 2021-08-23)

York University v. Canadian C​​opyright Licensing Agency (Access Copyright) — Supreme Court of CANADA 2021/07/30 (accessed 2021-08-23)

[小欄関連記事]

2021年08月06日 Internet Arc​​hive、カナダ最高裁が芸術作品などのパブリックアクセスを「著作権の主要目的」と判決したと発表