NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、8月9日、「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2021)」(NISTEP REPORT No. 1No.194, 195)を公表した。
本調査(「第4期NISTEP定点調査」)は、日本における科学技術やイノベーション創出の状況変化を把握するためのもの。同研究所が第6期科学技術・イノベーション基本計画期間中の5年間を対象に、2021年度から開始したもので、今回公表したのは第1回目の結果である。
調査対象は、2,300名。大学、国立研究開発法人・大学共同利用機関(国研)、重点プログラムなどにおいて第一線で研究開発に取り組む約1,500名の研究者および、国研等のマネジメント層や企業の代表者・研究開発担当責任者、政府の審議会委員など約800名に対して2021年11月~ 2022年2月にオンライン調査を実施し、回答率は94.1%(回答者数2,128 名/送付者数2,262名)であった。
その結果として、学術研究・基礎研究および研究時間等に関しては、「基礎研究の多様性」「基礎研究における国際的に卓越した成果」「研究時間を確保するための取組」「研究マネジメントの専門人材の育成・確保」が不十分と認識されていることを示している。
研究者を目指す若手人材・若手研究者に関しては「若手研究者の自立・活躍のための環境整備」が高い評価を得たが、「自立的に研究開発を行う若手研究者の数」の評価は低く、「望ましい能力を持つ博士後期課程進学者の数」は不十分と認識されていることを示している。
そのほかに、人文・社会科学研究者の回答傾向として、人文・社会科学研究者は自然科学系と比べて、「ベンチャー企業を通じた知識移転や新たな価値の創出」「博士号取得者のキャリアパス多様化への環境整備」などで評価が低かったことなどを示している。
科学技術の状況に係る総合的意識調査 (NISTEP定点調査 2021) 報告書(html)
※以上、NISTEP (accessed 2022-08-10)
[ニュースソース]
「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2021)」[NISTEP REPORT No.194, 195]の公表について - NISTEP 2022/08/09 (accessed 2022-08-10)
科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査)- NISTEP (accessed 2022-08-10)
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2021年04月13日 NISTEP、「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2020)」を公表