NISTEP、「科学技術指標2023」および「科学研究のベンチマーキング2023」の結果を公表

2023年08月15日

日本

NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、8月8日、「科学技術指標2023」(調査資料-328)および「科学研究のベンチマーキング2023」(調査資料-329)を公表した。

「科学技術指標」は、主要国(日本、米国、ドイツ、フランス、英国、中国、韓国)の科学技術活動状況を、5つのカテゴリー(「研究開発費」「研究開発人材」「高等教育と科学技術人材」「研究開発のアウトプット」「科学技術とイノベーション」)に分類し、約170の指標を用いて表したもの。本指標は、毎年公表されている。

2023年版の結果として、2022年版と同様、日本の研究開発費、研究者数は主要国中第3位であったが伸びが小さかったこと、パテントファミリー(2カ国以上への特許出願)数は世界第1位であったこと、論文数は2022年度と同様に世界第5位だが、注目度の高い論文を示すTop10%・Top1%補正論文数が第13位・第12位で、ともに順位を落としたことなどが示された。中国は全ての論文種別で世界第1位であった。

一方「科学研究のベンチマーキング」は、論文という指標から主要国の科学技術活動を把握する調査資料で、2年ごとに公表されている。2023年版では新たに、OA(オープンアクセス)論文や被引用数構造に着目して分析も行った。

その結果、日本の論文数は論文生産への関与度を見る整数カウント法では継続して増加している一方、論文生産への貢献度を見る分数カウント法では下げ止まりの兆しが見られること、日本の国際共著論文数は増加しているが、主要国の国際共著相手としての日本の存在感が低下傾向にあることが示された。また、2021年に出版された全世界の論文の過半数はOA化されていること、主要国のOA論文は数・率ともに上昇し2021年時点では、英国79.5%、ドイツ70.1%、フランス 69.9%と欧州諸国のOA化率が高く、日本は54.1%であった。

科学技術指標2023(html

科学研究のベンチマーキング2023(html

※以上、NISTEP (accessed 2023-08-09)

[ニュースソース]

「科学技術指標2023(調査資料-328)」及び「科学研究のベンチマーキング2023(調査資料-329)」を公開しました - NISTEP 2023/08/08 (accessed 2023-08-09)

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