早稲田大学比較法研究所、講演会「EUにおけるAI規制:新AI規則の挑戦と今後の可能性」の開催報告を公開

2024年07月25日

日本 ヨーロッパ

早稲田大学比較法研究所は、7月15日、講演会「EUにおけるAI規制:新AI規則の挑戦と今後の可能性」の開催報告を公開した。

同研究所の主催で6月7日に開催された本講演会では、インスブルック大学のアレクサンダー・ショッパー教授が、EU(European Union、欧州連合)におけるAI(Artificial Intelligence、人工知能)規制の経緯と課題について報告した。

初めに、EUにおけるAI規制の背景と現状、AI規則の主な内容について報告。EUにおけるAI規制への動きが、2018年6月の欧州委員会による「人工知能に関するハイレベル専門家グループ」の設置から始まったこと、2024年4月13日に欧州議会でAI規則に関する立法決議が行われ、5月12日には欧州理事会でも採択されたことを紹介した。

次に、AI規則の定義や適用範囲などについて説明。AI規制法で用いられている「AIシステム」の定義、本法の適用範囲や適用対象となるAIシステムのリスクに応じた分類、違反時の罰則などについて説明した。

最後に、EUにおける新たなAI規制の長所と短所が比較検討され、AI規制に向けた今後の見通しについて説明が行われた。

講演後の質疑応答では、EUにおけるAI規則の制定が世界共通の普遍性のある規制を促進させるか、AIの危険性の分類は困難ではないか、許可申請や管理コストの点で不利である中小企業側からの反発はないのかなどの質問が挙げられ、活発な議論が行われたという。

[ニュースソース]

【開催報告】比研主催講演会「EUにおけるAI規制:新AI規則の挑戦と今後の可能性」6/7(金)が開催されました - 早稲田大学比較法研究所2024/07/15 (accessed 2024-07-23)

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