国立衛生研究所(NIH)バイオセキュリティー国家科学諮問委員会(NSABB)が2011年12月2日、生物テロへの悪用の可能性を懸念し、鳥インフルエンザH5N1に関するNIH助成研究の(Nature誌およびScience誌での)発表予定論文の一部を削除するよう"Press Statement on the NSABB Review of H5N1 Research"で勧告した。この研究には日本人研究者も関わっている。
Nature誌は当初(12月20日)難色を示していたが、現時点(1月11日)では、数週間以内にNIH/NSABBより提示される全文アクセス制限プラン待ちとなっている模様だ。このような勧告は前例がなく、関係者からは検閲だなどとする異論も出ている。
以下に、本件に関する内外の報道をいくつか紹介する。
[Nature記事] 時系列
●Fears grow over lab-bred flu 2011.12.20
●Call to censor flu studies draws fire 2012.1.3
●Don't censor life-saving science 2012.1.11
●Bird flu and the future of biosecurity 2012.1.11
[Science記事] 時系列
●Controversial Studies Give a Deadly Flu Virus Wings 2011.12.1
●Will Flu Papers Lead to New Research Oversight? 2012.1.6
●In the Eye of the Storm, Two Rivals, Two Strategies 2012.1.6
[国内報道例]
●鳥インフルの公表前論文の改変を勧告―米国 2011.12.22