鳥インフルエンザH5N1研究がテロへ悪用される恐れがあるとして米国バイオセキュリティー国家科学諮問委員会(NSABB)から論文の一部削除を勧告され、研究者39名が研究を一時中断することとなった問題で、1月25日付nature誌は、研究の中心人物の一人、河岡義裕氏(東京大学医科学研究所)の見解"H5N1: Flu transmission work is urgent"を掲載した。
同氏は、「研究はリスクよりメリットの方が大きい」「NSABBの役割は分かるが、その決定には同意できない」「論文を書き直しても悪用の恐れは排除できない。多くの情報が公表されているから」「研究促進とリスク最小化を同時に図る方法を討議したい」「研究は緊急を要する。放棄するわけにはいかない」など述べる。
これを受け、Science誌は1月25日、「中心的研究者、沈黙を破る」と題する記事"A Central Researcher in the H5N1 Flu Debate Breaks His Silence"で、同氏がnature誌で述べたことを紹介し、独自取材で同氏から得た回答「今まで発言を控えていたのはnature誌からのアドバイスによる」などを紹介した。
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上述
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・2012年1月12日(木曜日)米国: 鳥インフル研究論文アクセス制限問題