科学技術政策研究所(NISTEP)が最近発表した研究成果3件を紹介する。
[説明]はNISTEPの説明文の転載(ただし、一部省略、敬体は変更)。
★ノウハウ・営業秘密が企業のイノベーション成果に与える影響 (Discussion Paper No.84)
[説明]
研究開発成果を保護する手段としての特許とノウハウ・営業秘密の重要性に着目し、それらがイノベーション成果に与える影響について考察した。 分析の結果、全体としては、特許の保有件数が多い企業ほど新製品の投入件数が多く、ノウハウの保有件数が多い企業ほど利益期間が長いことが明らかになった。また、特許とノウハウのバランスもイノベーション成果に重要な影響を与えていることが確認された。
★科学技術指標2012(調査資料-214)
[説明]
我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した「科学技術指標2012」を取りまとめた。主な調査結果は以下のとおり。
1.日本の研究開発費総額は17.1兆円で、2008、2009年度に引き続き、2010年度も減少している。
2. 日本の研究者の新規採用者数は、2010、2011年と連続して減少している。また、大学院博士課程入学者数は、2002年をピークに減少傾向が続いている。
3.日本の論文数(2009-2011年の平均)は、世界の論文の生産への関与度を示す整数カウントで見ると、米、中、独、英に続き世界第5位です(1999-2001年の平均は第2位)。また、日本の被引用数の高いTop10%補正論文数(2009-2011年の平均)は、世界のインパクトの高い論文への関与度を示す整数カウントで見ると、米、英、独、中、仏、加に次ぐ、世界第7位(1999-2001年の平均は第4位)。
★研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2011(調査資料-213)
[説明]
研究活動の成果物の一つである科学論文(以下、論文)に着目し、各大学の"個性(強み)"を把握するためのベンチマーキングを行った。 本調査は、2002-2011年の10年間で1000件以上の論文を産出した128大学を分析対象とし、大きく2つのパートから構成されている。まず個別大学の分野特徴や時系列での変化を把握するために、大学ごとの研究状況シートを作成し、比較を行った。次に、個別大学の相対的な状況を把握するため、日本の大学の中でのポジショニングの分析および各種研究分野における世界と競える強みを持つ大学の分析を行った。
[ニュースソース]
NISTEP>最近のトピックス>2012/08