英国政府や英国研究会議(RCUK)、イングランド高等教育基金協議会(HEFCE)の公的助成研究成果オープンアクセス(OA)方針の拠り所となった「Finchレポート」に関し、レポートを取りまとめたメンバーの一員による弁明と、それに対する手厳しい批判が掲載された記事を紹介する。
★Green or gold? Open access after Finch
Finchグループの一員だったソルフォード大学副学長Martin Hall氏の弁明。リポジトリによるGreen OAの限界(version of record【出版用レコード、VoR】が収載されないこと、テキスト・データマイニングができないことなど)やGold OAの特徴、レポートに対する批判などに言及し、「議論は当面続こうが、大局的にはOAワールドに向かっていることは明らか」と結ぶ。
★Martin Hall's Defence of the UK Finch Committee Recommendations
サウサンプトン大学教授Stevan Harnad氏による上記弁明への批判。「Hall氏の説明は驚くほど皮相的だ。要するに、Goldは著者の査読済み最終原稿ではなくVoRを提供し、テキストマイニングができ、学術誌の価格問題を解決すると言っているに過ぎない」「VoR、テキストマイニング権はGoldコストに値するかという視点に欠けている」などとする。
★ [GOAL] Re:martin Hall's Defence of the UK Finch Committee Recommendations: Green or Gold? Open Access After Finch
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ学術コミュニケーション名誉部長Fred Friend氏の見解。「リポジトリによるOAを支持していた人々がFinchレポートに署名したのは不思議だ。Finchグループは、リポジトリへのVoR収載やテキスト・データマイニングに係る権利問題を解決しようとしたふしがない。Goldへの移行は根拠あってのものではなく、リポジトリをOAの主役にすることで出版界が感じる脅えに基づくものだ」などとする。
以下、メーリングリストの続き。概要紹介は省略。
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[ニュースソース]
上述