CC-BY、移行続くも懸念あり(記事紹介)

2012年11月22日

ヨーロッパ

Research Informationが11月15日付記事"More publishers move towards CC-BY licence for OA articles"で、「出版業界では、英国研究会議(RCUK)やWellcome TrustなどのOA方針がきっかけとなり、CC-BYライセンスへ移行するジャーナルが続出している」として、このライセンスの良い点と懸念される点を、以下のように指摘した。

【良い点】
(1) 時間のかかる論文利用許諾交渉が不要で、コンテンツのマイニングが可能
(2) 新製品開発や産学連携で、コンテンツの営利利用が可能

【懸念される点】
(1) オープンアクセス(OA)化のねらいに反する、研究者が納得できないコンテンツの営利利用
(2) 著者側のCC-BY理解不足
(3) データではなくアイデアが勝負の人文科学分野では、多くの著者は権利喪失に不服
(4) 自著中で利用する、第3者論文の許諾取得が困難
(5) 出版社による、著作者の権利保護が困難
(6) 盗用監視が困難
(7) コンテンツの独占利用ができなくなった出版社による、収益源確保のための論文掲載料値上げ
(8) 著者による、CC-BYオプトアウトの可否が不明

[ニュースソース]
上述
[CC-BY関連小欄直近記事]
2012年11月8日(木曜日) NPG、19誌にCC-BYの選択肢を追加