「COVID-19パンデミックが引き起こす研究文化における抜本的な変化」とは。Digital Science社のCEOの視点(記事紹介)

2020年06月29日

ヨーロッパ

Scholarly Kitchenは、6月24日、"How COVID-19 is Changing Research Culture:An interview with Daniel Hook, CEO of Digital Science"と題する記事を公開した。

本記事は、Digital Science社が6月4日に公表した"How COVID-19 is Changing Research Culture"の著者の1人であるDaniel Hook氏(Digital Science社CEO)に対し、COVID-19パンデミック(新型コロナウイルス感染症)が引き起こす研究文化の変化に関するインタビューを行いまとめたもの。

同氏は、COVID-19パンデミック下において、すでに多くの議論があるプレプリントの急増などのほかに、国際的な共同研究ではなく研究が高度にローカライズされ、実際に一国の著者および共著者によって執筆された論文が大多数を占めていることを紹介。

OA(オープンアクセス)の展望については、研究普及のためのメカニズムとしての一般的なOAと、パンデミック下のような極端なOAの活用の2つの文脈があると前置きしたうえで、OAは長期にわたって実現していくものであり、これまでのOA普及のスピードを考えれば急速に進展する可能性は低いなどと発言した。

そのほかにも、助成機関が国際的な共同研究よりも国レベルのイニシアチブもしくは小規模グループをターゲットにしたイニシアチブに多く助成している点について、実践的な視点から理にかなっており、COVID-19研究が成熟するにつれ国際的な共同研究が増えていくだろうとの予測や、どこが最初にワクチンを開発するかではなく公的あるいは私的など、どのようなプロセスを経てワクチンが出てくるのかに注目していることなどを示している。

[ニュースソース]

How COVID-19 is ​Changing Research Culture:An interview with Daniel Hook, CEO of Digital Science ― Scholarly Kitchen 2020/06/24 (accessed 2020-06-26)

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